あこがれの地。(北海道 開陽台)

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今でこそ「地球は丸い」ということは常識として知られているが、
中世ヨーロッパでは、「地球は平面である」と考えられていたらしい。
地球は平面で、巨大な滝が地の暗闇へと流れ落ちている端っこには、
エキゾチックで巨大な未知の怪物たちが潜んでいる。
当時の人たちは、そんなことを必死で信じていた。

前回に引き続き、北海道。場所は、中標津の≪開陽台≫。
看板には「地球が丸くみえる――」と書いてある。
地球の壮大な自然を、約330度の大パノラマで感じることができる場所として有名だ。

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正直なところ、「地球が丸い」という事実を実際に見たことは無い。
宇宙飛行士にでもなれば話は別だが、
だいたいは義務教育課程において、無条件で「地球は丸いもんですよ」という常識を刷り込まれる。
個人的に、何の疑問も持たずに、常識と呼ばれるような知識を鵜呑みにしていくのは好きじゃない。
常識が全て正しいとは限らない。
「百聞は一見にしかず」だ。いよいよ、この目で「地球が丸い」ということを確かめる瞬間が来た。

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なるほど。・・・・・・なるほど。まぁ、丸いと言えば丸い・・・。丸い・・・?
おそらくこの写真を中世ヨーロッパの街中にばら撒けば、街の人たちは声を大にして言うだろう。
「やっぱり平面じゃあないか!」と。
ひとつだけ確かなことは、この写真を見る限り、巨大な怪物は見当たらない、ということだ。
是非一度、実際に訪れて確かめてみて欲しい。
まぁ、当時の考え方も、それはそれでロマンがあって良いけど。

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さて、空港や看板など、至るところで牛の姿を目にする北海道。
まるで、牛と一緒に旅をしているような気持ちになる。
今、目の前には、地球の果てへと続いていそうな一直線の道が伸びている。

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ライダーなら誰もが憧れる場所。中標津町の町道「北19号」、通称「ミルクロード」だ。
走行しながら歓喜の声を上げたくなるようなスケールの大きさを感じる。
昔、北海道を原付で駆けていたときには、訪れることが出来なかった場所でもあり、
個人的には、“18年越し”の念願のシチュエーションを、ようやく走ることができた。

真っ直ぐと伸びる道を走りながら、思わず叫びそうになるが、口を開く直前でハッとする。
最果てまで続くこの道で大声を上げてしまったら、未知の怪物たちのところまで聞えてしまい、
気付かれてしまうのではないか。
怪物と言われるくらいだから、凶暴な性格の持ち主なのだろう。
目の前の地平線から襲い掛かってきたら、たまったものじゃない。

でも、ふと我に返って安心する。
そして冷静になって、さっきまでの自分の考えていたことが、馬鹿らしくも面白く思えてくる。

ついさっき自分の目で確かめたばかりだ。

「地球は丸い」

そんな当たり前のことを繰り返し思い浮かべながら、今度は、はっきりと大きな口を開けた。
アクセルの感触が足元から伝わってくる。

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